洋画『恍惚~バレンティノより美しい~ 』

■1942年シカゴを舞台に美しい2人の青年が侵した理由なき犯罪を描く、90年代ゲイ映画の決定版‼


ギャングや密造酒が横行する’20年代のシカゴ。裕福なユダヤ系の家庭に育った18歳の美しき青年リチャードとネイサンは、悪事を共有する友達同士せあり、左の薬指に同じリングをするほど愛し合っていた。ある日、ふたりは顔見知りのホビーという少年を誘拐し、リチャードが惨殺してしまう。やがてふたりは逮捕され、取り調べが始まるが、リチャードは殺害をネイサンの犯行だと主張する。傷つくネイサンだったが、裁判でともに終身刑が確定。刑務所では別々の運命が待っていた。主役のふたりと、彼らが紡ぐ愛憎劇は見もの。


単なる90年代のゲイ映画と一言では片づけてほしくない、そりゃぁ美しくて、クールで完成度の高い作品。実際におきた事件を下手に脚色することなく、少年たちの行動と彼らが引き起こした犯罪が周囲に与えた影響を、すぐ側で、ジーーーーッと静観しているような感覚。ショッキングな実話を題材にしているけど、少年たちの犯罪に対して"なぜ?"のような問題提示して社会派映画ぶるのではなく、ただ事件を再現というよりは淡々と再生していく。浅はかで無邪気で冷酷な二人だけの世界にいた少年たちが己の犯した事件によって引き離され運命を狂わされる様は切なくて悲しくなった。主役のふたりと、彼らが紡ぐ愛憎劇は見もの。リチャード(ダニエル・シュラケット)とネイサン(クレイグ・チェスター)がともかく美しく、美形の男性ふたりが織り成す倒錯の世界に興味深々の方にお勧めしたい映画。

製作・監督・脚本・編集: トム・ケイリン

製作: クリスティン・ヴァション

脚本: ヒルトン・アルス

撮影: エレン・クルス

音楽: ジェイムズ・ベネット

出演: ダニエル・シュラケット/クレイグ・チェスター/ロン・ヴァウター/ミッシェル・カービィ/ミッシェル・ストム/ポール・コナー



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