■イラン映画の中の愛すべき少年たち
「1978年の革命以後、アメリカ映画が入ってこなくなり、その結果、映画人たちが面白い映画をつくろうと努力しはじめたから」と映画監督アッバス・キアロスタミは言う。彼はイラン映画に児童映画という新しいジャンルをつくった監督である。子供が主人公の映画はそれまでイランにはなかった。なぜならプロの子供の俳優というものが存在しなかったから。キアロスタミは今も映画には素人の子供を使う。授業が終わり、教室で隣の席の子が駆け出して転んだ。その手当をしてやった主人公の少年は、自分のとよく似た彼のノートも一緒に持って帰ってきてしまう。その日も遅刻して、おまけに宿題を忘れて、先生にキツく叱られたばかりの隣の席の子に同情し、少年は自分とはまるで反対の方角に住む彼にノートを届けることにしたのだがさまよってしまう物語。出演する子供たちはみんな素人。今にも泣きそうなうるうるの目をした主人公の少年がなんともかわいい。キアロスタミ監督の“ジグザグ道三部作”の第一作。
ジャンル:ドラマ
製作国:イラン
製作年:1987年
ん初公開日:1993年10月23日
上映時間:85分
出演: ババク・アハマッドプール, アハマッド・アハマッドプール, イラン・オタリ, ホダバフシュ・デファイ監督: アッバス・キアロスタミ
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