■私の表現テーマの原点がここにある。
「千年女優」「東京ゴッドファーザーズ」の今敏監督が、筒井康隆の同名小説をアニメ映画化したSFサイコ・サスペンス。精神医療研究所に勤める美しきサイコ・セラピスト、千葉敦子は、極秘セラピーを行う時、“夢探偵パプリカ”となって他人の夢に入り込み、心の秘密を探り出していく。そんなある日、敦子の同僚で天才科学者の時田浩作が開発した画期的サイコセラピー機器“DCミニ”が盗まれる事件が発生する。それは悪用されれば他人の人格をも破壊する危険があった。そして、その不安は的中、所内に次々と犠牲者が出始める…。
主人公のパプリカが曲に合わせて広告に変身し、その姿が街並みにリズミカルに映っていくオープニングシーンが、たまらなく好き。この疾走感と神秘的な世界観は私が表現したいテーマの原点です。夢の世界が舞台なだけになんでもできるという状況を、今敏監督は逆手にとってまさにイマジネーションの洪水ともていうべき展開を見せている。夢の中の世界を映像美で表現するような感じもあり、現実社会のリアルさとの差をつけたり、境界を無くしたり、ニュアンスの表現が上手な監督だったので、うってつけの作品だったかもしれません。ストーリーも魅惑的ですが、その映像に酔いしれること確実の、アニメとしての魅力にあふれた素晴らしい作品。
ジャンル:SF/ファンタジー/サスペンス
製作国:日本
製作年:2006年
初公開日:2006年11月25日
出演: 林原めぐみ, 古谷徹、江守徹、堀勝之祐大塚明夫
監督: 今敏
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