ディアスと月の誓約/乾石智子 (著) 吉田ヨシツギ (イラスト)

かつて月が三つあった世界で、魔法使いが二つの月を引き下ろして作った「緑の凍土」なる王国があった。伝説の獣サルヴィの角に支えられた王国「緑の凍土」では、新たな角を持ち帰ることが次王の証とされていた。災厄に疲弊した王国で後継者争いが起きるなか、王子ディアスは異母兄オブンの奸計により故郷から追放されてしまう。絶望した彼は、夢に出てきたサルヴィが歌った地〈赤き海〉へ向かう。その旅路は、ディアスが運命を受諾し、王国の未来を選択をするための試練でもあった。災厄に見舞われる「緑の凍土」の地を舞台に、運命に翻弄される王子ディアスを細やかな筆致で描く。大自然と少年の成長、世界と神獣など、美しさと熱さが絶妙なファンタジー。

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