たまさか人形堂それから/津原 泰水(著)

OLをリストラされたことをきっかけに、祖父母から譲り受けた「玉阪人形堂」店主となった澪。人形制作に関しては素人だったが、押しかけアルバイトの人形マニア・冨永と高い技量の訳あり職人・師村の助けもあって、人形堂はそこそこにぎわいを見せていた。いっとき店は閉店の危機に見舞われたが、資産家の坊(ぼん)でもあった冨永が共同経営者の立場になることで、閉店の危機をなんとか乗り越えた。

今日もこの小さな店には人形にまつわる様々な難題が持ち込まれる。赤いマーカーの口紅を塗られたリカちゃん人形、グループ展でなぜか壊されてしまう人形作家の「ある作品」、髪が伸びる市松人形の謎、盲目のコレクターが持ち込んだ小田巻姫の真贋、伝説の作家が手掛けた昭和30年代のマネキン――。

人形と人間の不思議で親密な関係を円熟の筆で描く、『たまさか人形堂』に続く好評シリーズ第2弾。

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