『小説宝石』に2011年5月から2013年2月号まで連載された文章を単行本化。著者は出版会と芸能界の二足のわらじをはき、その好物は競馬、SF、ジャズ、ロック、漫画、芸能界ゴシップとサブカルチャー全般にわたっていて、本書に登場する人物は多士済々、魑魅魍魎の類と呼びたくなる人もいる。ビートたけし、ナンシー関、佐野洋子、片岡義男、手塚治虫、松井秀喜、椎名誠……といった長年、交流を深めてきた人たちとの、貴重な「あの日」を綴る。 濃い時間を共に過ごした知己や、あの街ですれ違った人たちにまつわる記録を書き記したエッセイ集。1970年代からTV界や出版界を見つめてきた著者だからこそ知る人々の”素顔”が覗ける。名コラムニストが描く、忘れられない人たちと交わした「あの日」。人物への寸描が写真のように正確で、会話の再現もリアル。物語られる事柄によって、くだけた口調のところ、抒情的なところと切りかわり、まるで落語を聴くようだ。要所で発せられる「なつかしいなあ」という間投詞のタイミング。村上春樹と佐藤泰志の共通点、というテーマも目から鱗が落ちた。
青春時を一緒に駆け抜けた音楽、恋を教えてくれた映画、小さい頃から何度も何度も読み返した本…。
いつだって私の側には本と映画と音楽があった。
そして、現在進行形で刻まれているArikaの日々の「本と映画と音楽の履歴書」。
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