「百八円の恋」クリープハイプ

*「百八円の恋」という、消費税込みのタイトルが、何とも尾崎らしいユーモア♪


フォークの弾き語りのように始まり、突如疾走感のあるビートが鳴り響く。キラキラとしたギターに乗せて、歯がゆさ、もどかしさ、やるせなさといった、痛々しいほどの想いが、叫び声になって発せられる、映画『百円の恋』の主題歌として書き下ろされた。現実にうちのめされて地に這いつくばって、それでもまだ自分の両足で立って歩きたいと願う、人間の性のようなものが描かれた。決して絶望を歌ってるわけではなく、かといって希望を歌ってるわけでもない。これは渇望の歌だと思う。”痛い痛い痛い”と延々連呼するメロディが、非常に印象的なナンバー。大胆な曲構成、ネガティブオーラ全開の歌詞に反した力強いバンドサウンドは、何かに導かれるような勢いに乗っている。

「百八円の恋」という、消費税込みのタイトルが、何とも尾崎らしいユーモア。ちなみに煩悩の数でもあり、悩みや苦しみや葛藤があるのは、人間だから。それを乗り越えることができるのもまた人間。もやもやしたものを、くだらないことだと笑い飛ばす、人間のエネルギーが、この曲には込められている。表題曲の他、2009年にインディーズでリリースしたシングル「mikita.e.p」の再レコーディングした「君の部屋」、尾崎がパーソナリティーを務めていたラジオ番組の終了時に制作した、ラジオ愛がたっぷり込められた「ラジオ」の3曲を収録。それぞれ違ったティストで、でも尾崎独特の歌詞世界が広がる、3曲ながら実に濃いシングル。

ディスク:1

1. 百八円の恋

2. 君の部屋 

3. ラジオ


ディスク:2

1. くそバレー 2014


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