横浜伊勢佐木町で風俗店『ピーチドロップス』を営む大学生・早瀬俊。彼は進藤翼という少女と二人で暮らしていた。店の常連客、翼の担任教師、老いた元警官など周囲の人物たちから、少しずつ早瀬と翼の秘密が明かされていく―。埋めることのできない「喪失」。「生と死」を描いてきた著者が投げかける新たなこの物語の行く末は? 驚嘆のミステリー!! 留年学生の早瀬店長に誘われデリヘルデビューしたアヤメことカエデの決断、吉田(仮)課長の常客視点、レイカを知る星野先生の受難、店長に情報を渡す元刑事と一人娘、父の後妻と同じ目の"妹"を探し女を殺す男の罰。最終話で豊と共に進藤渚さんの真相が明らかに。 先の読めない展開とミステリの運びが相変わらず巧みだなと思った。最初はデリヘルの話から始まるミステリーですが、後半の急展開とラストの3人の、特に最終章で早瀬が言ってた「しかるべき場所へ帰る」という言葉が本多さんっぽい。 最後にタイトルの意味がわかる。そういうことだったのかと、わかって思うことは、翼はとても強いということ。私だったら、すべてを黙っていることも、黙っていることで引き寄せられた偶然の決着をつけることも、できないだろう。最後、結末が、あそこまで美しいとは驚いた。 余談だけどWOWOWあたりでドラマ化したら是非見てみたい。
青春時を一緒に駆け抜けた音楽、恋を教えてくれた映画、小さい頃から何度も何度も読み返した本…。
いつだって私の側には本と映画と音楽があった。
そして、現在進行形で刻まれているArikaの日々の「本と映画と音楽の履歴書」。
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