洋画『マップ・トゥ・ザ・スターズ』

■残酷で美しい街ハリウッドを舞台に、クローネンバーグが描く極上の悪夢


「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「コズモポリス」「クラッシュ」などで知られる映画祭の常連、鬼才デヴィッド・クローネンバーグ。71歳のベテラン監督が、ハリウッドでリムジン運転手をしていた脚本家の実体験に基づく物語を映画化し、ハリウッドセレブに対する痛烈な風刺とユーモアを交えた作品を作り上げた。

夢と欲望の街ハリウッドを舞台に、それぞれに問題を抱えたセレブたちが織り成す悲喜劇をシニカルに描いた群像ドラマ。ハリウッドのセレブ一家、ワイス家。父スタッフォードはTV番組も持つ有名なセラピスト。13歳の息子ベンジーも子役としてブレイク中で、典型的なステージママのクリスティーナはマネージャーとして息子の売り出しに余念がない。そんな中、スタッフォードのセラピーを受けている落ち目の女優ハヴァナが、顔に火傷の痕がある少女アガサを個人秘書として雇い入れる。しかし、彼女こそはワイス家が7年前に封印した存在、一家の長女だった。彼女の出現をきっかけに、家族の歯車は急速に狂い始め…。

名誉、称賛、絶望といったものをすべて飲み込むハリウッドを舞台に、人々の心に潜む闇を鋭く描いた本作。落ち目の女優を演じて、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞したジュリアン・ムーアの秀逸な演技とともに、その狂気の世界を心ゆくまで堪能してほしい。


ジャンル:ドラマ

製作国:カナダ/アメリカ/ドイツ/フランス

製作年:2014年

初公開日:2014年12月20日


出演: ジュリアン・ムーア, ミア・ワシコウスカ, ジョン・キューザック, ロバート・パティンソン, オリヴィア・ウィリアムズ

監督: デヴィッド・クローネンバーグ


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