洋画「ニュー・シネマ・パラダイス」

*1989年12月16日公開。

原題:NUOVO CINEMA PARADISO/CINEMA PARADISO


「映画の魔法」という表現は、

この映画のためにあるようなチャーミングな名作・・・。

弱冠29歳のトルナトーレ監督が、映画を愛する全ての人に贈る感動編。シチリアの小さな村にある映画館パラダイス座。そこで青春時代を過ごした映画監督サルヴァトーレが、当時、慕っていた映写技師アルフレードの訃報を聞き、故郷に帰ってくる。そして、少年時代、青年時代の思い出に浸っていたサルヴァトーレが受け取ったアルフレードの形見には、映画への愛とアルフレードの想いがぎっしり詰まっていた……。

思えば『ニュー・シネマ・パラダイス』の完全版を映画館に観に行き損ねたのは偶然じゃなかった。泣かせるツボを心得たトルナトーレ監督の手腕にあざとさを覚えながら、それでも私は『ニュー・シネマ・パラダイス』の最初の版を愛していたのだった。映画を愛する人「映画館」との結びつきを、これだけ感動的に描いた1900年代映画を他に知らない。そんな映画にさらに、オリジナル完全版なんてモノがあっていいのだろうか、ってわけで、観るのが怖かったのです。

そしてDVDで観る事の出来る完全版、やっぱりね、映画とはまったく違うモノだった。最初に公開された映画の主役はトトと映写技師のアルフレ-ドと、彼らの城である映画館だったのだが、完全版は主役だったはずの映画館の影が薄くなり、その代わりにトトとアルフレ-ド、映画を愛し映画に人生を捧げた男たちの物語になっている。というものの、最初の時と同じくらい、やっぱり感動して泣いてしまった私であった。お恥ずかしいが正直に告白しておこう。

ただ、ドラマとはいえ、主人公が30年も家に帰らないとは、大変な親不孝者と言わざるを得ません。

年老いた母が田舎でひっそりと暮らしているというのに!!

アカデミー外国語映画賞、カンヌ映画祭審査員特別グランプリ受賞作品。


★作品情報

製作国:イタリア/フランス

製作年:1988年 

監督: ジュゼッペ・トルナトーレ

製作: フランコ・クリスタルディ

脚本: ジュゼッペ・トルナトーレ

撮影: ブラスコ・ジュラート

編集: マリオ・モッラ

音楽: エンニオ・モリコーネ

アンドレア・モリコーネ

(愛のテーマ)

映倫 :PG12

出演:フィリップ・ノワレ ジャック・ペラン サルヴァトーレ・カシオ マルコ・レオナルディ アニェーゼ・ナーノ


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