邦画『クレープ』

■赤ちゃんのときに離別した父と娘との14年ぶりの再会を描いた心あたたまる物語。


離婚した妻の元で育った14歳の娘と久しぶりに会うことになった中年男のとまどいと情愛を描くドラマ。「乳房」とともに、伊集院静の原作2本を2本立てで公開した中篇で、監督・脚本は「病院で死ぬということ」の市川準。撮影は石井浩一が担当。主人公の江津役には、バラエティ番組などで人気の田代まさしが、その娘のみのり役にはオーディションにより堀江奈々が扮し、それぞれ映画初主演となった。たった50分ちょっとの作品なのだけど、1時間30分の映画よりも重く、切なく、やさしさと悲しみに満ちている。おとうさん役の田代まさしが奇跡のように素晴らしく、彼に会うために何度でも映画館に足を運びたくなる。映画の父子が14年ぶりに過ごす時間は春の日のわずか数時間。けれどもそれはふたりが別々に過ごした14年間よりも大きく輝いている。

製作年:1993年

製作国:日本

配給:東映

監督:市川準

脚本:市川準

原作:伊集院静

製作総指揮:黒井和男

企画:中沢敏明

キャスト:田代まさし、 南果歩、 堀江奈々、 渡辺いっけい、向井田彩子、大久保鷹、加倉井えり


0コメント

  • 1000 / 1000