洋画『第9地区』

■ここには人間の変わらない愛とロマンがある

南アフリカ出身の新鋭ニール・ブロンカンプ監督が、ピーター・ジャクソンの全面バックアップで長編デビューを飾ったSFアクション。巨大な宇宙船が漂着し、異星人を難民として受入れることになった南アフリカを舞台に、そこで巻き起こる驚愕の事件をリアルかつ迫力の映像で描き出していく。エイリアンたちを難民として受入れてから20数年後のヨハネスブルグ。共同居住区“第9地区”はいまやスラムと化し、地域住民の不満は爆発寸前に。そこで超国家機関MNUは、エイリアンたちを新たな難民キャンプへ強制移住させることを決定、プロジェクトの責任者にヴィカスが抜擢される。さっそく彼らの住居を訪問し、立ち退きの通達をして廻るヴィカスだったが…。

隔離されたエイリアンと人間の物語で、アパルトヘイトという社会問題を意識して作られています。差別は今でも根強い問題ですが、この作品はそこを描きつつ人間のもっと根本的なものを表現していると感じます。エイリアンになった主人公が人間の意識はなくても、妻への愛だけは本能で残っているということを暗示するシーンが心に響きました。シャールト・コプリー、デヴィッド・ジェームズほか出演。PG-12指定作品。

ジャンル：ＳＦ/アクション/ドラマ

製作国：アメリカ/ニュージーランド

製作年：2009年

初公開日：2010年4月10日

上映時間：111分

出演: シャールト・コプリー, デヴィッド・ジェームズ, ジェイソン・コープ, ヴァネッサ・ハイウッド

監督: ニール・ブロムカンプ