洋画『未来世紀ブラジル』

■これぞテリー・ギリアム監督の真骨頂にして最高にシュールな代表作


コンピュータによる国民管理が徹底した仮想国ブラジル。その情報管理局で、ある役人が叩き落としたハエによって、コンピュータ情報の一部が壊れてしまう。そしてその影響は、善良な靴職人をテロリストと誤認逮捕させる結果を生み出すが……。「12モンキーズ」のテリー・ギリアム監督による管理社会を痛烈に皮肉った、ファンタジックなSF近未来映画。

管理社会が徹底的になり過ぎて飽和状態になり、ささいなトラブルで人違いが生まれ、無実の人が投獄されていくという、実に嫌~な社会風刺w そんな暗い未来を、あえてレトロ感満載に描くギリアム監督の独特の美術スタイルがまたピッタリとはまる♪ 妄想にばかり逃げる主人公に演技派ジョナサン・プライス、出演シーンが少ないのに圧倒的存在感で場面を攫うロバート・デ・ニーロ、と 映像も役者陣も、見応えだらけのゼイタクすぎるカルト作品。なんといっても、この映画のムードが好きで……。SFの街の明かりは人工的ですが、アマゾンの虫の輝きのようで自然的でもあります。そのビジュアルがとてもロマンチック。これぞテリー・ギリアム監督の真骨頂にして最高にシュールな代表作、というブラックな笑いに包まれたダークな近未来SFファンタジー。

ジャンル:SF/コメディ

製作国:イギリス/アメリカ

製作年:1985年

初公開日:1986年10月10日

上映時間:143分

<キャスト>

サム…ジョナサン・プライス(島田 敏)

タトル…ロバート・デ・ニーロ(池田 勝)

ジル…キム・グライスト(戸田恵子)

ジャック…マイケル・ペイリン(江原正士)


監督・脚本:テリー・ギリアム

製作:アーノン・ミルチャン

脚本:トム・ストッパード/チャールズ・マッケオン

音楽:マイケル・ケイメン

●字幕翻訳:戸田奈津子 ●吹替翻訳:宇津木道子


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