*相手を受け入れる愛情を教えてくれる楽曲♪
前作「James Blake」で、R&B系の美しいボーカルと、デビュー当初からの武器である先進的なダブステップを融合させ、話題となったプロデューサー兼ボーカリスト、James Blakeによる2ndアルバム。
Bon Iverとコラボした「Enough Thunder」を除き、今までほとんどセルフプロダクション、ソロボーカルでやってきたJames Blakeですが、本作ではBrian Enoと、Wu-tang ClanのRZAという大御所二人をゲストに迎えています。「James Blake」と比べると音の種類はやや豊富になり、特に浮遊感のある独特のドラムとベースからは、Actressなどシーンの最前線に立つミュージシャンへの接近が見られます。いつものように家で仕事をしながらFMを流していたら、たまたまこのアルバムの5曲目『Retrograde』がかかり、なぜかすごく心に残りました。普段ほとんどしない和訳まで調べると、その時の自分の気持ちとかなりシンクロした歌詞でした。自分は一歩引いて相手のことを受け入れる。それができること自体が強い愛情なんだということを、この曲の歌詞や彼の心地良い声から気づいたと同時に、深い愛情を感じました。それにしても前作から一気に成熟度を増し、洗練されたなと思う。どこかシンプルさ、統一感を感じさせる点も巧み、くすんだトーンで統一されたエレクトロニックな音像は前作と共通ながら、硬く冷たい感触が少し後退している。ソウルというよりゴスペルにあるような祈りと霊感がそこにあるような一枚。
ディスク:1
1. Overgrown
2. I Am Sold
3. Life Round Here
4. Take A Fall For Me (feat. RZA)
5. Retrograde
6. DLM
7. Digital Lion
8. Voyeur
9. To The Last
10. Our Love Comes Back
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