芸人前夜/中田 敦彦 (著)

●意味はないようで意味はあったのさ、歩いた道こそ武勇伝!!


又吉さんの著書の中で紹介されていたので気になって読んでみた。

この本は中田さんの初の自伝的青春小説!! 

彼が芸人になるまでの話です。ゼロ年代、不況真っただ中のニッポンで、彼女ナシ&引きこもりのガリ勉少年が「失われた青春」を手に入れるまで。鬱屈した学生時代からNSC入学、「武勇伝」が生まれ、すべてが始まった。いま明かされるオリエンタルラジオ、デビュー前夜の怒涛の青春ストーリー。頭が良いのだが、それだけには満足できない主人公の青春と著者いわく紺春の日々が描かれていて、一気に読み込んだ。のちにコンビとなる、相方・藤森さんとの出会いと青春しているなって思える日々が描かれている。屈折した学生時代、武勇伝ができるまで、そしてデビューへの疾走感。あの二人でオリラジなんだなぁ…としみじみ藤森さんとの絆の深さも感じらました。 多分、中田さんが芸人になったのもたまたまだろう。お笑いっていうフォーマットにはハマっていないオリラジ。独自のことでしかできない生き方で、魂を燃やしながらパフォーマンスしてる姿はまさにパフォーマー。初めてオリエントラジオの中田さんをTVで見たとき、普通の人とは圧倒的な違いを感じたが、そのカンはどうも正しかったようだ。中田さんのブログは散文詩と小説の中間のような文章で、抑圧を受けながら、叫ばずにはいられない魂を感じてしまう。最近のパフォーマンス「PERFECT HUMAN」は中田さんの頭の中がまさに具現化されていて素晴らしいです。

全体が会話主体なので、本人がテレビ番組で熱く語っているような感じで一気に読め、その情熱と一生懸命目標に向かって足掻いている姿が面白かった。芸人になろうと決意した時や、実は漫才が下手だと判明した時、実は藤森のセンスに救われてきたのではと思えてしまった。テンポよくとんとん拍子に出世していく主人公、あっちゃんの若さゆえのギラギラした野心が滲み出ている。大企業の社長のサクセスストーリーよりももっと身近で「がんばろう」って思えるサクセスストーリーは、これから社会に出る若者には、ある意味、社会的な生き方の先輩かもしれない。

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