*町で勝手に活動を始めた探偵ロボット3体のエラーとは?
17歳の男子高校生・正行は、天才科学者の祖父が密かに開発した人間そっくりの探偵ロボット≪マキナ≫と共に、探偵ボランティアに従事する…のだが、開発者の祖父が直後に急逝。マキナ以外の3体の探偵ロボットが、エラーを抱えたまま勝手に町に出て、めちゃくちゃな探偵活動を展開し始めた。正行とマキナは彼らを回収しようとする。
ロボットを主軸に据えたミスタリーには、アシモフが提唱した三原則(大雑把に言えば、人間に危害を加えない、人間の命令に従う、自己を守る)を論理的にこねくり回す話が多い。しかし森川智喜はこれにほとんど触れず、ロボットの探偵としての行動論理がどう狂っているかを推理するのを眼目としています。ユーモラスな会話やドタバタと、頓智の効いたロジック操作が、愉快痛快な読書体験を保証する。本格ミステリ大賞受賞の面目躍如たる作品です。
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